トラム天国、ベルリン(2)

(BVG-Betriebshof Lichtenberg. 2006年5月14日)
(前回のつづき)
ベルリンのトラムが電気化してから125周年を迎えたことを記念して、昨年5月に行われたイベントの様子をもう少しご紹介しましょう。場所はリヒテンベルクの駅の近くにある、BVD(ベルリン交通局)の操車場。ある日曜日の午後、音楽家の友達と行ってみると、そこは明らかにヲタクと思われる人々だけでなく、家族連れが非常に多いのが印象的でした。
過去から現在までの多くのトラムがずらりと並ぶ中、私が一番気に入ったのは冒頭の写真のトラムです。おそらく戦前の車両でしょうが、色合いといいデザインといい美しい^^)。こちらがその内部ですが、タイムマシンがあったら、これに乗って戦前のベルリンを巡りたいですね。
実はここに展示されている古いトラムはいずれも動体保存されていて、何かのイベントで普通の路線を走ることがあります。
それだけでなく、お金を払ってレンタルすることだってできるんです。ドイツ語のわかる方は、ちょっとこちらをご覧ください。例えば、レトロタイプのトラムを1両走らせると運転手と車掌付きで1時間110ユーロとあります。
レンタルは最低2時間からとのことですが、意外に安い!このブログの何かの記念の時にでも、このトラムを走らせてみたいですね、なんて^^;)。
この日はご覧のように、トラムの修理工場まで覘けるようになっていて、これにもなんだかワクワクさせられました。この写真を眺めていたら、先週の「タモリ倶楽部」を思い出しました^^;)。
他にびっくりしたのは、本物のトラムの運転体験コーナーまであったことでしょうか。数ユーロ払えば誰でもトラムを数百メートル運転できるというものでしたが、すごい行列ができていたので諦めました。ホンモノの電車を運転してみたいという欲求は、東西問わず人が基本的に持ち合わせているものなのか^^;)。
意外にも大人気だったのが、これ。使われなくなったトラムの行き先標札表が1枚2ユーロで売られていたんですが、飛ぶように売れていきます。日本だと一部のマニアぐらいしか関心を示さないものだと思うんですが、皆さん自分が普段利用しているトラムのものとなると欲しくなってしまうんでしょうか・・2ユーロだったので、私も1枚買って帰りました^^;)。
特設会場では、多くの人々がビールやソーセージを片手に、リラックスムードでバンドの演奏に耳を傾けていました。
さて、こちらはバスコーナー。トラム同様に、歴史的なバスが年代順に並べられています。これもなかなか壮観でした。
子供たちもご満悦の様子。
ベルリン名物のダブルデッカーも、昔はこんなデザインでした。
トラムだけでなく、この日はバスの運転も体験できるようになっていました。BVG、なかなか太っ腹です。大きな2階建てのバスを運転する人たちの嬉々とした表情といったらありませんでした。
しかし、マニアというのは、どこの国にもいるものなんですね^^;)。
この日のハイライトはこれら様々な時代のトラムが、アレクサンダー広場方面に向けて走る記念の花電車でした。私たちはこれを楽しみにしていたんですが、すごい人気でチケットはすでに完売。せめて写真だけでもと思ったものの、ちょっとお茶している間にトラムの大名行列はいつの間にか旅立っていたのでした。
今回のトラムシリーズ、予想に反して大きな(?)反響をいただいたので、続編も考えています。



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8 Responses

  1. KIKI
    KIKI at · Reply

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    こういうのが、一部のマニアだけではなく、家族連れのイベントになるっていいですよね。使われなくなった行き先のボード、行ってたら私もきっと買ってたな。2ユーロってのがなかなか良心的ではありませんか。まさとさんはどの線のものを買ったんですか?

  2. hiro_hrkz
    hiro_hrkz at · Reply

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    ドイツは、数・質の両面で、鉄道マニアの本場ですね。
    ドイツの方は乗り物全般に興味が向いているようにも思いますが、実際にはどんな感じなのでしょう?

    それにしても、保存車両の多さを見ると溜息が出てしまいます。

  3. Ken
    Ken at · Reply

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    路面電車の貸切、手が出ないほどじゃあないんですね。
    車掌付きのプランもあるようですが、なにしてくれるんでしょうね?
    検札??

  4. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    >KIKIさん
    >まさとさんはどの線のものを買ったんですか?
    行き先が知っている地名だとやはりうれしいので、Mitte Am Kupfergrabenと書かれたプレートを選びました。この停留所はHUのすぐ裏ですよね。本棚の横に地味に飾ってあります。

  5. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    >hiro_hrkzさん
    >ドイツの方は乗り物全般に興味が向いているようにも思いますが
    本屋に行くと、鉄道関係の雑誌だけで相当な数になると思います。これは乗り物全体に言えることかもしれません。Straßenbahn-Magazinなる雑誌を見つけて、唖然としたこともあります。

    確かに昔の車両がきれいに保存されていますよね。この熱意はすごいと思います。かえって、現役の車両が落書きと引っかき傷だらけなのが、かわいそうになりますね。

  6. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    >Kenさん
    >車掌付きのプランもあるようですが、なにしてくれるんでしょうね?
    なんでしょうね?車内案内、検札といった昔の車掌さんがやっていたことを雰囲気たっぷりにしてくれるのではないでしょうか。あくまで想像ですが。

  7. hiro_hrkz
    hiro_hrkz at · Reply

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    旧い記事へのレスで申し訳ありません。

    昨日、私の友人から、ベルリンの歴代の路面電車を収めていた車庫が火災に遭い保存車共々消失したという話が、下のBBSのURLと共に送られてきました。昨年8月のできごとだったようです。
    http://drehscheibe-online.ist-im-web.de/forum/read.php?5,3944674,3944674
    残念です。ニュルンベルクの博物館に続いて・・・・。

  8. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    hiro_hrkzさん
    情報ありがとうございます。そんな事件があったなんて、全然知りませんでした。ここで紹介した路面電車の中にも犠牲になった車両があるのでしょうか・・・。貴重な文化遺産だけに極めて残念なことです。

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