(山梨紀行のつづき)
特急『かいじ』で石和温泉の駅に着くと、今回お世話になる方に迎えられ、最初に御坂峠に連れて行ってくださった。これはうれしかった。というのも、この峠には太宰治の「富嶽百景」の舞台となった天下茶屋という小さな茶屋がある。大分前、太宰の作品の中ではやや異色ともいえるほど、快活な雰囲気にあふれたこの作品を読んで、いつか舞台の地を訪ねてみたいと思っていたからだった。当時はそれがどこにあるのか、調べてみることさえしなかったのだが。
記念館のパンフレットによると、天下茶屋が建てられたのは昭和9年秋のこと。太宰治は昭和13年の9月13日から11月15日までここで過ごした。現在の建物は3代目にあたるそうだ。
2階は小さな記念館になっていて、太宰が使った机や火鉢が置かれている。
快晴とまではいかなかったが、河口湖の向こうになだらかな稜線をたたえる富士山を一望することができた。この気分は何物にも代えがたい。今回日本から角川文庫版の「富嶽百景」を持って来たので、久々に読み返してみようと思ふ。
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太宰は最近は読んでいませんが、この十日ほど次女の作家、津島佑子の韓国の作家との書簡集を読んでいました。津島佑子の母方の祖父は地質学者、『富士山の自然界』を著しています。
『山のある家 井戸のある家―東京ソウル往復書簡』
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/408774857X.html
八ヶ岳山麓で「ロッジ」を経営している知人が、かつて御坂峠の茶屋で働いていました。太宰やその頃のことを含めエッセイを書いています。↓
http://lodgeyamatabi.web.fc2.com/hugakuhyakkei.html
こちらはプロフィールと家族のこと
http://lodgeyamatabi.web.fc2.com/baby1.htm
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>AKさん
御坂峠の茶屋で働かれていた方のエッセイを読ませていただきました。素敵な文章ですね。その方のHPを拝見して、日本の山に登りたくなってきました。私の住む北ドイツは平板な地形ですし、日本の山岳風景はやはりすばらしいなと思います。