Hallesche Straßeにて(2006年8月25日)
ベルリン市が「壁崩壊20周年」キャンペーンを大々的に展開しているせいか、今年に入ってから街角や新聞で”Mauerfall 20 Jahre”の文字を頻繁に見かける気がする。今日は、20世紀の世界にインパクトを与えた「ベルリンの壁」に比べれば、おそらく今後も顧みられることはまずないであろう、もう1つの「壁」をご紹介したいと思う。
場所は、アンハルター駅近く。写真の奥にアンハルター駅の廃墟が写っているが、この南側に大きな空き地が広がっている一角が存在する。
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もう数年前になるが、よく利用するM41バスがシュトレーゼマン通りを走る時、そういえば見慣れない不思議な物体があることに気付いた。普段何気なく見ているものの中に、意外な事実が隠されていることがベルリンでは結構多い。そういう時は、やはり自分の目で確かめてみるのが一番である。
この壁に記された案内板で疑問はすぐに氷解した。これは1734年から36年にかけて「兵隊王」フリードリヒ・ヴィルヘルム1世によって建造された関税門(Zollmauer)なのだった(画像はWikipediaより)。最近読んだ『パリ歴史探偵術』(講談社現代新書)という本の中で、18世紀の「徴税請負人の壁」が紹介されているが、役割はそれとほぼ同じものと見ていいのだろう。
この市壁は1868年に完全に解体されることになるが、それぞれの門の名前は今でも地名として残っている。特に地下鉄U1は、ハレ門以降東、ほぼ完全にこの城壁に沿って走るのでわかりやすい。
この壁はオリジナルではなく、80年代に土台部分が発見された際、記念に再建されたものだそうだ。
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この壁のことは初めて知りました。
復元とはいえ、実際に立っていたなんて!
タイトルを読んだとき、CöllnのBerliner Stadtmauerかと思いました。
これでベルリンの壁は3つ、ですね。
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ベルリンフィルと少し関連のある記事がありましたので紹介。
jbpress.ismedia.jp/articles/-/699
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ウメさん、お久しぶりです!
>CöllnのBerliner Stadtmauerかと思いました。
さすがにご存知ですね。本当は中世のベルリンの壁も一緒に紹介しようかと思ったんですが、それはまた別の機会にしました。あの辺りもまた見所が多い地区ですから。
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あkさん
リンクありがとうございます。
まさにサントリーホール誕生秘話ですね。とっても面白かったです。
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マサトさん、こんにちは。
前にこの話題に触れた覚えがあるのですが
懐かしいのでまた書きます。スミマセン・・・。
初めてベルリンに行き、シュトレーゼンマン通りを歩いていてこの壁を発見し、
あの頃は
「これがベルリンの壁?」と
思わずカメラを構えたものの、
「でも、ここに壁があると東西分断の位置がおかしくないか?」
など、一人思案に暮れていたのを思い出し、今でも一人笑いをしてしまいます。
でも、別の意味で写真を撮ってくればよかったなーといまさら後悔。
そんなわけで私的には思い出深い場所です(笑)。
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しゅりさん
お久しぶりです。この壁はしゅりさんも以前注目されていましたよね。ようやくここで紹介することができました。ちなみにこの壁はAkzisemauerという言い方もあります。Akziseとは(19世紀までの)間接国税のことだそうです。