ちゃりんこ旅日記(4) – 13日目に九州へ上陸 –

11日目は広島。原爆ドームと厳島神社、世界遺産を2つも見学してしまい、贅沢な一日になった。次の日の朝は山口県の東端、岩国市にある錦帯橋に立ち寄った。1673年に作られた錦帯橋は、当時の岩国藩の土木技術の高さを物語っていた。美しい見事なアーチで、川への反射がまたきれいだ。
そして、ついに13日目の昼。下関は壇ノ浦にやってきた。目の前に関門大橋があり、すぐ先に見えているのは、紛れもなく九州の大陸だ。「ついに着いた…」。当たり前のことだが、横須賀から九州まで、一本の道でつながっていた。自分の家の目の前にある道は、途切れることなく九州までつながっていた。地図で見れば当たり前のことだ。でも、一生のうちでそれを確かめる人が、どれくらいいるだろうか。
これまでの全走行距離は1250km。あまり実感はわかなかったが、確かにぼくはここまで自転車だけでやってきた。「バカだなぁ。新幹線なら5時間で着くのに」なんて言う人もいるかもしれない。でも物事は一長一短。時間をかけたから得られた経験もある。新幹線や飛行機では寝てても着いてしまうが、自転車を漕いでいる間は寝ることができない。だからぼくは、途中にある全ての道を自分の目で確かめながらやってきた。日本の約半分の距離を、自分の体で走った。日本の大きさがどれくらいなのか、感覚として体に刻み込まれた。これはどんな億万長者にも買えない財産だ。
さて、旅は前半戦を終えた。ツール・ド・西日本の伝説はここから始まる。さあ、九州一周編のスタートだ!
(現時点で「はまかぜ新聞」に掲載された原稿はここまでです。続きはまた折に触れて紹介させていただきます)
作者である弟のブログはこちらより:夢!冒険!ちゃいにっき!



Facebook にシェア
LINEで送る
Pocket



Comment

CAPTCHA