101回目の「サロメ」

●StaatsoperのR.シュトラウス「サロメ」(クプファー演出)は、1998年3月に私が初めてベルリンに来た時に観た演目。その時指揮をしたのが一昨年亡くなったホルスト・シュタインだったので、余計に懐かしい。今シーズンもプログラムに入っていて、アイスランドの火山噴火から2日後の公演を観た。
●開演前にアナウンス。予定の指揮者がスペインからベルリンに飛べないため、Julien Salemkourに急遽交代。歌手の中にはロシアからバスと鉄道を乗り継いで来た人もいたと紹介され、お客さんからは大きな拍手が。何はともあれ、この状況下で公演が実現しただけでもありがたかった。
●舞台の3分の1が見えない8ユーロの席だったけど、充実した公演だった。何といってもタイトルロールのアンゲラ・デノケ!以前観た「バラの騎士」のマルシャリン役の気品ある佇まいが印象に残っているが、役柄的に全くの正反対という以上のサロメも歌うとは。サロメに必要な妖艶さをしっかり出しながら、知的な部分でのコントロールもしっかり取れていて、オケとのバランスも最高だった。「7枚のヴェールの踊り」では本当に脱いでしまい、その体当たりの演技にもびっくり。
●シュターツオーパーは来シーズンから大規模な改修工事に入ってしまうので、この古い演出の「サロメ」を観るのも最後かもしれない(プログラムによると、1979年6月のプレミエからこの日が101回目の公演)。改修後は、10ユーロ以下でオペラが観られる3.Rangの天井桟敷はどうなるのだろう。歩く度にギイギイ鳴る木の床とか、劇場内の独特のにおいとか、空調がないため聴衆の熱気でむんむんしてくるあの空気の悪さとか、劇場がきれいになる代わりにこういったものが失われるのを、少し寂しく思う。
Musikalische Leitung: Julien Salemkour
Inszenierung: Harry Kupfer
Bühnenbild und Kostüme: Wilfried Werz
Herodes: Reiner Goldberg
Herodias: Renate Behle
Salome: Angela Denoke
Jochanaan: James Rutherford
Narraboth: Marcel Reijans
Page: Andrea Bönig

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4 Responses

  1. ヴァランシエンヌ
    ヴァランシエンヌ at · Reply

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    マサトさん、ご無沙汰してます。
    4月にも「サロメ」再演があったんですね。私が去年10月に観た時は、疲れその他諸々で3分の2以上は眠ってしまったんですが(^^;
    デノーケ(私もリンデンでのマルシャリンを観て惚れました^^)がタイトルロールだったら、きっとそんなことはなかっただろうなぁーー;と、ちょっぴり残念です。

    その時の公演が、閉鎖前のリンデンでの観劇のラストになると思いますが、やはり、思い入れの深い、古い劇場がもうすぐ別の物に変わってしまうと思うと、胸に迫る物がありますね。

    3年のうちにはシラー劇場にも足を運んでおきたいので、またレポートを楽しみにしております。「リング」の新演出もありますしネ。

  2. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    ヴァランシエンヌさん
    お久しぶりです。コメントありがとうございます。
    リンデン・オーパーの最上階の席は、ベルリンの3つの歌劇場の中で一番安く買うことができるため、私自身何度となく活用させてもらいました。思い出もたくさんあるだけに、名残惜しい気持ちもありますが、舞台裏を見れば老朽化は一目瞭然ゆえ致し方ないところでしょうか。シラー劇場での来シーズンは、プログラムのデザインからがらっと変わりましたね。また様子はお伝えします。

  3. わーぐなー
    わーぐなー at · Reply

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    たまにこのブログをウオッチしている者ですが私も閉鎖前にもう一度っと4泊6日でやって来て(帰りは1日足止めされましたが)かの公演は2.Rangの端で聴いておりました。開演前の支配人の挨拶の内容をやっと掌握です。感謝。

  4. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    わーぐなーさん
    > 開演前の支配人の挨拶の内容をやっと掌握です。
    それはよかったです。開演前のアナウンスは、普段は出演者の体調不良に関することが多いですが、今回は状況が状況だけにああいう内容でしたね。これからもよろしくどうぞ。

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