現在、ポツダム広場からほど近いマルティン・グロピウス・バウ(Martin-Gropius-Bau)にて、オラファー・エリアソン(Olafur Eliasson)のベルリン初の大規模な個展「Innen Stadt Außen」(内-都市-外)が開催されており、大きな話題を呼んでいます。
デンマーク・コペンハーゲン生まれのアイスランド人作家エリアソンは、光、影、色、霧といった要素を通して、人間の知覚に新たな角度から訴えかける大規模な作品を発表してきたことで知られています。今年3月まで開催されていた金沢21世紀美術館での個展「あなたが出会うとき」などで、その作品をご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
オープニングの4月28日は、作家自らの希望で入場無料となったため、多くの人が殺到。私もこの日に足を運んでみました。会場の前に来ると、窓から煙のようなものがもくもくと出ていて、「一体何だろう」と思わされます。
「私がまだアカデミーの学生だった1988年、現在とは反対側の入り口から初めてこのマルティン・グロピウス・バウの中に入った。(ベルリンの)壁はそれまで何度も見たことがあったけれど、この窓から壁とその緩衝地帯を眺めて、反対側がどれほど遠いかを実感した。視覚の演出が、置かれた環境を先鋭化させたからだ」(Tip誌のインタビューより)
かつて目の前にベルリンの壁が立ちはだかっていたマルティン・グロピウス・バウ
94年からベルリンに在住するエリアソンは、この個展を「ベルリンと深く関係した非常に個人的な展覧会」と語っており、ベルリンという都市との関わりから生まれた作品がいくつも並んでいます。入り口近くの床には「ベルリンの歩道」という名の花崗岩が置いてあり、博物館の内と外の境界がなくなるかのような感覚を覚えます。また、展覧会と同じタイトルを冠したビデオ作品は、巨大な鏡をワゴン車に設置し、走る車とその鏡を通して写る風景をカメラが追いかけるというものなのですが、2つの現実の重なり合う様が面白かったです。博物館の中庭に設置された「Mikroskop」というインスタレーションは、まさに圧巻。「Round rainbow」や「Water pendulum」といった光、影、水を生かした作品も、多くの人がしばし立ち止まって見入っていました。
中庭に設置された鏡のインスタレーション「Mikroskop」© 2010 Olafur Eliasson
正面の窓から出ている煙らしきものの謎は、最後の部屋で解き明かされることになります。部屋の中を歩きながら、夢の中をさまよっているような不思議な気分を味わいました。現代アートの展覧会で、1つ1つの作品がこれほど記憶に残るのも珍しい体験で、普段見慣れた街を新鮮な感覚で捉え直してみたい気持ちになりました。8月9日まで開催。
www.gropiusbau.de
(ドイツニュースダイジェスト 6月18日)
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いつもブログ拝見しています。
念願かなって来週からベルリンに遊びに行きます。セグウェイツアーというのに参加する予定です。とっても楽しみ。
マルティン・グロビウス・バウにも行ってみようかな。
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あー、金沢に行けば良かった。激しく後悔。エリアソン体験したかったです。うらやましい!8月9日までですかぁ。そうですかぁ・・・。
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Shuji Kamanoさん
以前見せていただいた写真は、本当に廃墟という様相でしたよね。今でもあの建物の側面には、第2次大戦末期の弾丸の跡が、生々しく残されています。今回再訪を果たされてよかったです。
le16さん
MoritzplatzやKottbusser Tor、あとカール・マルクス・アレーの風景も出てきて、私も楽しめました。「瀬戸内国際芸術祭」、舞台が素敵ですね。私もいつか行ってみたい!
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Kaomaiさん
セグウェイのツアーは、たまに街角で見かけます。どういう原理で走っているのだろうと不思議に思いながら、乗ってみたいといつも思っています。ぜひ楽しんでくださいね。
tsu-buさん
思い切ってベルリンに来られるのも手かもしれませんね(笑)。エリアソンの存在は、建築家の友人に教えてもらったのですが、今回すっかりはまってしまいました。もう1回は観に行きたいと思っています。