政治を間近に感じる日

連邦ジャーナリズム局(Bundespresseamt)にて
8月21、22日の週末、毎年この時期恒例となっているドイツ連邦政府の一般公開が行われました。今年はベルリンの16の省庁がその扉を開き、各省庁との間は無料のシャトルバスが運行。2日間で15万人の市民や観光客が訪れ、特にメルケル首相の仕事場である連邦首相府だけでも、訪問者は3万人を数えたそうです。
連邦内務省(Bundesinnenministerium)
まだ一度も訪れたことのない省庁をと思い、私はまずシュプレー川に面した現代的な建築の内務省に行ってみました。ここでは1時間ごとに内部の見学ツアーが開催されていたほか、各ブースでは内務省が普段どういう業務を扱っているのか、現場の職員が訪れた人に直接説明する場面も多く見られました。中庭には食べ物の屋台が並び、特設ステージではトーマス・デメジエール内相が、冬季オリンピックで3度の金メダルを獲得したスピードスケートのグンダ・ニーマン=シュティルネマンや、この夏の陸上欧州選手権で走り幅跳びの金メダリストになったクリスティアン・ライフといったスポーツ選手らと、「ドイツ再統一20年」というテーマでトークショーを行いました。スポーツの振興も内務省の仕事の柱の1つなのだそうです。壁崩壊まで東ドイツでスケートをしていたシュティルネマンさんと、西ドイツ出身で当時まだ5歳だったライフさんですが、一般によく言われる東と西の隔たりというものは、スポーツ界に限って言えばどんどんなくなりつつあるのではないかというポジティブな変化を感じました。
内務省でのトークイベント。左からライフ、ニーマン=シュティルネマン各氏とデメジエール内相
次に訪れたのは、フリードリヒシュトラーセ駅前にある連邦ジャーナリズム局。ここはドイツ内外のジャーナリストがよくお世話になる場所です。中に入るとここでもやはりドイツ再統一20年をテーマにした新聞の展示があり、子どもが楽しめるコーナーも用意されていました。そこを突き抜けて行くと、緑豊かな大きな中庭で人々がくつろいでいる姿が目に入りました。外観からではわからない意外な場所を発見するのも、オープンデーならではの楽しみと言えるかもしれません。
緑あふれる連邦ジャーナリズム局の中庭
最後に、連邦ジャーナリズム局から徒歩5分の場所にあるフランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)紙のベルリン支局に行ってみました。ドイツを代表する高級紙も、この期間に合わせて一般公開をしていたのです。約100年前に銀行として建てられた建物の中にFAZ紙の支局はあり、メルケル首相が年に2回、取材を受けるために訪れるという談話室や支局長の仕事部屋など、重厚かつシンプルな内装に目を奪われました。
ドイツニュースダイジェスト 9月10日)
今日、所用で連邦ジャーナリズム局に行く機会があったので、早速この記事をアップしてみたくなりました。



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3 Responses

  1. MAYU
    MAYU at · Reply

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    ドイツにはこんな日があるのですね。(日本にもあるかもしれませんが)

    最近、日本には立派な議員会館ができて、それをあまりマスコミに公開しないと話題になっています。
    個人的に有権者として見学を申し込んだら、受け入れてもらえるのかなと考えていたところです。

  2. nozomuz
    nozomuz at · Reply

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    一般公開は政治・行政が身近に感じられていいですね。日本で一般公開をしているのは国会議事堂くらいでしょうか。あまり公開しないのは批判されるからでしょうかね。

  3. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    MAYUさん
    > 最近、日本には立派な議員会館ができて、
    そうなのですか。個人的に申し込まれて、もし返事が届いたらまた教えてくださいね。

    nozomuzさん
    >日本で一般公開をしているのは国会議事堂くらいでしょうか。
    なるほど。今そのページを見てみました。他の省庁も年に1回ぐらい公開されたらと思いますが、日本だとドイツ以上に人が殺到することになるでしょうか。政治への人々の参加意識を高める上でもいいと思いますけどね。

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