ハンブルクのテレマン博物館とエルプ・フィルハーモニー

5月にハンブルクに行った時、旧市街にあるブラームス博物館を訪れる機会がありました。展示スペースは小ぶりながらも内容は充実しており、係の方の対応も親切。満足して外に出ると、その奥にもう1つミュージアムがあることに気付きました。
Telemann Museumと書かれており、テレマンの音楽を愛好する私は、大いに興味を惹かれて妻と中に入ってみました。内部はブラームス博物館よりもさらに小さく、ハンブルクのテレマン協会のメンバーだという2人の陽気なおじいさんが迎えてくれました。この団体が中心となって作られたテレマン博物館は、なんとその前日にオープンしたばかりとのこと。世界で唯一のテレマンの博物館なのだと胸を張っておっしゃっていました。
ゲオルク・フィリップ・テレマン(1681-1767)は、創作の円熟期を含め、1721年以降生涯の半分以上をハンブルクで過ごしています。実際この家に住んでいたわけではないのですが(これはブラームス博物館も同じ)、この近くにある聖ミヒャエリス教会(St. Michaelis-Kirche)はハンブルク市音楽監督として彼の活動の拠点の1つでした。
わずか1部屋ですが、テレマンのハンブルク時代に生まれたカンタータやオラトリオのテキストや楽譜などが展示されていました。
私が興味を惹かれたのは、「カタストロフィー」と題されたこのパネル。1755年11月1日、リスボンで大地震が発生しました。これは現在に至るまでヨーロッパ史上最悪の自然災害で、津波による死者1万人を含め、5万5000人から6万2000人が亡くなったと言われています。情報網がまだ発達していない当時、ハンブルクにこのニュースが届けられるまで2週間ぐらいかかったのだとか。テレマンも大きな衝撃を受け、この出来事をきっかけに作曲したのがDonnerodeという世俗オラトリオなのです。あまり有名な作品ではないようですが、どんな響きがするんだろう。聴いてみたくなりました。
Pilatuspoolという通りをしばらく歩いて行くと、ライスハレ(Laeishalle)が目の前に見えてきました。ここに来たのは、2001年4月、ギュンター・ヴァント指揮の北ドイツ放送響のベートーヴェンとモーツァルトを聴いて以来だったので、さすがに感慨がありました。
いまハンブルクでは新しいコンサートホール、「エルプ・フィルハーモニー(Elbphilharmonie)」の建設が着々と進んでいます。港街のハーフェンシティにこの新ホールを紹介する仮設のパビリオンがあり、内部空間の模型を覗き込めるようになっていました。ベルリンのフィルハーモニーのようなワインヤード形式のホールで、客席数は2150だそうだから、ほぼ同じ規模になりますね。
元々ここにあった赤レンガの倉庫の上に、ヘルツォーク&ド・ムロン設計によるガラスの構造体を増築するという大胆なプロジェクト。当初の予定より進行は大分遅れているそうですが、2013年末完成後は、北ドイツ放送交響楽団の本拠地になり、クラシック以外にもさまざまなジャンルの音楽が演奏されるそう。その時また訪れるのが楽しみです。

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