鐘楼(ベルフォールト)からの眺め(2012年7月)
NHK「テレビでドイツ語」のテキストに連載させていただいているシリーズ「ハンザ都市を巡る」。12月号ではベルギーのブルージュをご紹介しています。ハンザ同盟というと、リューベック、ハンブルクなど、ドイツの沿岸の町のイメージが強いかもしれませんが、地図を見るとびっくりするぐらい幅広い地域に分散しています。今回取り上げたブルージュは、ハンザ同盟都市のほぼ最西端に位置しますが、ロンドン、ベルゲン(ノルウェー)、ノヴゴロド(ロシア)と並び、ハンザの在外商館があった重要都市ということで、ぜひとも紹介したかったのでした。
中世の面影がほぼそのまま残る非常に美しい町でしたが、ハンザ同盟=商業史という観点から興味深かったのは、この写真の中央に写っている建物。一見なんということのない外観ですが、「金融」(ドイツ語ではBörseと言いますが)という言葉の語源になったブールス一家が住んでいた家なのです。ドイツからのハンザ商人が滞在していた地区も、この近くにありました。ブルージュが「中世の世界市場」と呼ばれた所以かもしれません。
よろしかったらご一読いただけると幸いです。