先週末でドイツは夏時間が終わり、日本との時差は8時間になりました。まだ比較的暖かいのが救いですが、17時にはもうほぼ真っ暗。間もなく陰鬱な11月に入ろうとしています・・・。
そんなわけで、日本で過ごした1ヶ月間も遠くなりつつありますが、今回の滞在の後半で印象に残ったいくつかの出来事をスケッチ風に綴っておきたいと思います。
冒頭の写真は、秋葉原から近い旧万世橋駅。この場所がつい最近商業施設としてリニューアルされたというので立ち寄ったのですが、中のお店の雰囲気といい、昔の駅のホームに上がって往時を偲べるようになっている点といい、なかなかセンスのあるリノベーションの仕方だと思いました。この赤煉瓦の高架線はベルリンのシュタットバーンとも関係が深いので、いずれまた書きたいと思っています。それにしても、久々に歩いた秋葉原電気街の変貌ぶりにはびっくり!でした。
大相撲秋場所の終盤に差し掛かったある日、当日券を狙って妻と両国国技館に行ってきました。日本に帰る度に、日本の伝統的なものに触れたいという思いを持っているのですが、今回はたまたま相撲だったわけです。が、1戦1戦が本当に面白くて、手に汗握りながら観戦しました。私は小学校高学年から中学生にかけて、あらゆるスポーツの中で相撲が一番好きだった時期があるのですが、あの頃生で見る機会があったらどんなに感動しただろうと思ってしまいました。この日のこともまた改めて書きたいところ。
先日書いた三ツ峠に登った翌日、山梨の昇仙峡を訪れました。ロープウェイで山頂に上り、さらに奥まったところにある岩山からの富士の眺めも実に素晴らしかった。
山梨から中央線の「あずさ」で帰る途中、吉祥寺に寄り、写真家のHさんに再会。おいしいタイ料理屋の「アムリタ食堂」でお昼をご一緒した後、「そういえば最近、この近くを歩いていたらベルリンの雑貨屋さんを見つけたんですよ」とおっしゃるので、食事の後そのお店に行ってみることに。何度か迷いながらも、ありました!『ゲミュートリヒ』という名のドイツ雑貨屋さん。オーナーの田中理奈さんは、2002年にドイツを初めて訪れて以来ドイツの虜となり、今年1月にこのお店をオープンさせたのだとか。立ち話でしたが、しばしベルリン話で盛り上がりました。素敵なお店だったので、吉祥寺訪問の際はぜひ立ち寄ってみてください。
吉祥寺を訪れたのはまだ2回(?)ですが、好きになれそうな町でした。昔からの商店街に賑わいがあって歩くのが心地よく、駅前にはハモニカ横丁というそれこそ戦後の闇市から続いているような飲屋街もあります。Hさんはヨーロッパからお客さんが来ると、毎回この迷路のような空間を案内されるそうですが、皆さん喜ばれるのがわかる気がします。
10月頭のある日、以前ブログを通じて知り合った研究者Oさんのご案内で、横須賀市追浜にあるJAMSTECこと海洋研究開発機構を見学。日本が世界の最先端を行く海底研究の今をたっぷり見せていただきました。ちょうどこの日、これから大槌町に旅立つ東北海洋生態系調査研究船「新青丸」(写真)の出航に立ち会えたのもよかったです。NHK特集のダイオウイカの番組の影響で、国立科学博物館の深海展も大人気だったそうで。
10月3日、東京オペラシティでの読響のコンサートを聴きました。ホールのロビーに「指揮者のスタニスラフ・スクロヴァチェフスキ氏は、本日90歳の誕生日を迎えました。」と書かれた張り紙が注目を集めていましたが、90歳の老人とは全く思えない、切れ味のある颯爽とした指揮ぶりで、ショスタコーヴィチの交響曲第5番を堪能しました。終演後、コンミスの日下紗矢子さんや何人かの知人にご挨拶できたのもよかった。この日のプログラムに、スクロヴァチェフスキの息子さんによるエッセイが載っていたのですが、マエストロの食生活に関する内容が興味深かったです。毎晩1杯の赤ワインを飲むのを長年の「儀式」としているという記述に示唆を受け、私も最近はビールよりも赤ワインを飲むようにしています(笑)。マエストロは12月15日にベルリン放送響とブルックナーの交響曲第4番をベルリン・フィルハーモニーで共演する予定なので、そちらも今から楽しみです。