新年あけましておめでとうございます。
晴天に恵まれた大晦日のベルリンの様子を何枚かお届けします。昨日は5度以下まで気温は下がりましたが、今冬はまだほとんど雪が降っていません。ブランデンブルク門周辺はジルベスター・パーティーを前に、いつになく多くの人で賑わっていました。
夜は佐渡裕さん指揮ベルリン・ドイツ交響楽団(DSO)のコンサートを聴きました。DSOは大晦日の昼夜2回のジルベスター・コンサートをドイツのサーカス団Roncalliと共演するのを恒例としていて、今回が10周年なのだとか。ドヴォルザーク、バーンスタイン、ハチャトリアン、ホルスト、ヨハン・シュトラウス、ドビュッシー……。さまざまな音楽に合わせて、サーカス芸が繰り広げられるのですが、これが本当に楽しい。一言でサーカスと言っても、超絶技巧のジャグリングから、ピエロによる余興、本物の鳥やポニーが演じるもの、中国雑技団のような青年が輪っかに次々に飛び込んでいく芸等々、内容は実に多彩。ドビュッシーの「月の光」に音楽に乗って、棒につかまった男の人が腕力だけで無重力状態のような体勢を演じる芸には誰もが息をのみました。もっとも、芸と演奏の終わりのタイミングをピッタリ合わせるのがなかなか難しく、音楽が終わったのにポニーがまだグルグル回り続けていたということはありましたが(笑)、相手が動物ですからこれはご愛嬌。佐渡さんの指揮は躍動感といい意味での野性味にあふれ、もう一人昔からファンだったメゾソプラノのアンネ・ゾフィー・フォン・オッターの歌が、この夜を一層華やかなものにしていました。オペラのアリアでの素晴らしさはもちろん、ガーシュインの「They Can’t Take That Away From Me」などで見せた芸達者ぶりも圧巻!ほかのお客さんと一緒に驚き、感動し、笑いながら今年最後のコンサートを締めくくることができたのは幸せでした。
こちらが会場のTempodrom。本当にサーカス小屋のような外観をしています。19時から始まったコンサート。会場を出るのは22時近くになっていて、爆竹の爆音に内心ビクビクしながらも何とか無事帰宅。ブランデンブルク門前のカウントダウンはテレビで見ました。
2014年はどんな年にあたるのかと思ってちょっと調べてみたところ、まずベルリンの壁崩壊・平和革命から25周年(ほんの少し前に壁崩壊20周年だったのに早い!)。ドイツ関係ではそれ以外に、リヒャルト・シュトラウス生誕150周年、カール・フィリップ・エマニュエル・バッハの生誕300周年、あと小さいところだとベルリン−東京姉妹都市提携20周年というのもあります。第一次世界大戦の開戦から100周年というのも、振り返る機会がきっと用意されるだろうと思います。こういう時代だからこそ、平和の意義を考えながらじっくり伝えていきたいです。
私がフリーのライターになってからちょうど5年が過ぎ、そろそろ駆け出しの時期は終わったなと最近実感します。今年はもう一度初心に返り、日々の仕事だけでなく、時間をかけて作品として残していきたい仕事、どちらも1つ1つ大切に取り組んでいきたいと思います。本年もどうぞよろしくお願い致します。
SECRET: 0
PASS:
2007年の大晦日。ブランデンブルク門のそばにいました。フリードリヒシュトラッセから先は満員電車なみの混雑でした。歩くの大変だし、寒かったけれども楽しい夜でした。
去年、川崎にサイモン・ラトルとベルリン・フィルがきました。「春の祭典」とても良かったです。
今年もブログ楽しみにしています。
SECRET: 0
PASS:
あけましておめでとうございます!!ご無沙汰してしまいましたが
いつも楽しみに拝読させていただいています。
コンサートとサーカスを一度に楽しめるなんて、楽しそうですね!
曲は一楽章のみとか、抜粋という形で演奏されるということですよね・・?ハチャトリアンとかいかにもサーカスに合いそうです。
お忙しいでしょうが、今年も知られざるカフェから歴史のお話まで、ベルリンのとっておきをたくさん教えてください。楽しみにしています。
SECRET: 0
PASS:
流れ星さん
コメントありがとうございます。2007年の大晦日にベルリンにいらしたのですね。自分はその時どこにいたかなと思い出してしまいました。ここ数年はおとなしく家で過ごすことが多いですが、このお祭り騒ぎは1年の中でも特別ですね。
ラトル&ベルリン・フィルの「春の祭典」は、各方面で絶賛を浴びたそうで、私が10年ぐらい前にベルリンで聴いた時よりもさらに進化したことでしょう。
今年もどうぞよろしくお願いします。
SECRET: 0
PASS:
ゴン太さん
あけましておめでとうございます!このコンサートは最高に楽しかったです。プログラム構成もよく練られており、各出し物に本当にピッタリの音楽を持ってくるのですね。10年も続けていて、マンネリに陥っていないところがすごいです。ベルリンのジルベスター・コンサートというとベルリン・フィルのが圧倒的に有名ですが、機会がありましたら、DSOのもぜひ体験してみてください!