藤野一夫氏による論考『新型コロナ危機に対するドイツの文化施策』
先週、ベルリン在住の作家、多和田葉子さんによる『理性へ、彼女は静かに訴える』というエッセイが朝日新聞に掲載されました。現在のドイツとベルリンの様子がよく伝わってくる内容だったのですが、その中で特に印象に残った箇所を下記に…
ラーヴェンスブリュック強制収容所解放から75年
今年は戦後75年の年。このような節目の年には、特に4月に入ると「今日はどこどこの強制収容所が解放されてから00周年です」というニュースが連日のように新聞やテレビで報じられ、ヨーロッパの終戦記念日にあたる5月8日から9日に…
秋のヴュルツブルク紀行(2)
2016年も残りあとわずか。いまさらながらではありますが、10月に南ドイツのヴュルツブルクに旅行したときの続きの話を書いておきたいと思います。ご興味のある方は、以下のページからお読みください。 菅尾友さんが演出するマイア…
「黄金の20年代」に触れる展覧会
劇的な道を歩んだ20世紀のベルリンの歴史の中で、今でも燦然と輝く伝説の時代があります。「黄金の20年代」と呼ばれる1920年代です。二つの大戦のはざまにあり、自由な雰囲気の中で文化や芸術が花開いた一方で、どこか危うげな香…
リューゲン島への旅(3) – 蒸気機関車に乗ってゲーレンへ –
(前回の続き)リューゲン島のビンツまで来たからには、バルト海の砂浜のほかに、もう一つ体験しておきたいものがあった。9月16日の10時過ぎ、ホテルの近くから出るバスに乗って駅に向かった。といっても、ベルリンから来る際に利用…
発掘の散歩術(65) ベルリンの難民をめぐる話(1)
-ユグノー教徒たち-
難民の問題を報じるドイツの新聞記事を読んでいると、現在起きていることだけでなく、かつてこの国に押し寄せて来た難民の歴史的経緯を取り上げた記事に出会うことがある。背景や規模はそれぞれ違うにせよ、地続きの欧州の人々にとって、…
リューゲン島への旅(2) – ビンツの砂浜で –
(前回の続き) 4時間かけてリューゲン島の東端にあるビンツに到着した翌日、宿から近い海岸に行ってみることにした。私たちが訪れた9月半ば、すでにバカンスシーズンは終わっていたが、メインストリートはそれでも結構賑わっていた。…
リューゲン島への旅(1) – ビンツへの直通列車 –
長男が誕生して間もなく10ヶ月。最初の頃はベビーカーで近所の公園に行くだけでもドキドキしたものだが、少しずつ行動範囲が広がってきた。なんといっても、生後3ヶ月で日本のパスポートを取得し、翌月日本に一時帰国したのは大きな出…
発掘の散歩術(62) – 番外編:ブランデンブルク州
彫刻家 大黒貴之さんと巡るハーフェルラント
ベルリン動物園駅からRE(地域間急行)に乗って西へ約30分、電車はパウリーネンアウエという小さな無人駅に到着した。ベルリンとハンブルクを結ぶ幹線上にある駅だが、途中下車をしたのは初めてだった。煉瓦造りの堂々たる駅舎に比し…
記憶の鉄路をたどる(3) – グライスドライエックの貨物駅跡(下) –
Gleisdreieck(2008-08-17) (前回のつづき) 工事中のグライスドライエックの敷地内を西に向かって歩いて行くと、やがて現役の線路に行き着いた。ここからは夕暮れ時のポツダム広場のビル群がよく見渡せた。 …
続・ベルリンインタビュー
私の知人で生粋のベルリーナー、メヒティルトさんのインタビュー記事を11月初頭にアップして以来、それっきりになっていましたが(その時の記事はこちら)、昨日彼女に2回目のインタビューをしてきました。今回は壁ができた頃の話、6…
「6カ国協議」 BZ Lexikon(133)
ここ数日少しばたばたしていますが、帰国までにあと2、3書きたいことが残っています。今回のLexikonは、12月に再開が見込まれている北朝鮮の6カ国協議(または6者会合)についてです。11月1日の紙面より。 Lexiko…
最近のコメント