ベルリンの「下町」で観る準決勝

Berlin Falckensteinstraßeにて(7月5日)
ワールドカップドイツ大会も、いよいよ2試合を残すのみとなった。
昨夜の準決勝第2戦は友達の近所、クロイツベルクのファルケンシュタイン通りの路上のテレビで観た。
今大会は仕事で関わったこともあって、いろいろな場所でワールドカップの試合を観ることができた。パブリックビューイング、ボンやベルリンの街角のテレビ、ホテルの部屋、自宅のテレビ、友達の家、そして以前書いたように1試合だけはスタジアムで観戦する機会にも恵まれた。どれも楽しかったし、スタジアムで観るのはやはり別格の体験だったけれど、クロイツベルクの何ということのない通りで観るワールドカップも私には格別だった。
U1のSchlesisches Torで降りてすぐのところにこのファルケンシュタイン通りはある。壁があった時代はこの駅が西側の地下鉄の終着点で、地下鉄の1番線は、トルコ人が多く住むクロイツベルクを通ることから「ベルリンのオリエントエクスプレス」の異名を持ったほどだ。
この通りに限らず、ベルリン中のカフェやレストランのほとんどには大型のテレビが設置されている。W杯期間中はこうしないと客を確保するのが難しいからだ。ファルケンシュタイン通りの、トルコ人が経営しているカフェ兼水ギセルのお店の前にもテレビとイスが並べられていて、私たちはそこに座って観ることにした。9時キックオフの試合が近付くと、どこからともなく人が集まって来る。トルコ人をはじめとした外国人が多く、近所の子供も少なくない。ドイツの試合でないこともあって、やかましく咆哮するドイツ人もいない。なんだかとても居心地がいい空間だ。決して広いとはいえない通りが、いつの間にか人でいっぱいになる様子を見て、私はアジアのどこかの町にいるような気分になった。そういえば1ヶ月間ボンにいたけれど、こういう場所はボンには全くなかったっけ。ああ、これがベルリンなんだと私は思った。
いよいよキックオフ、そしてやがて日は暮れ・・
画面の左右に並んでいるお店は同じ経営者によるもので、左はピザ屋、右はアイスのお店。通りをはさんで、同じ赤いテントの店が並んでいるのがおもしろい。友達の話によると、昨年できたこの店がヒットして以来、ファルケンシュタイン通りも活気がでてきたのだそうだ。ちなみに最新号のTipでは、クロイツベルクのこの界隈が「ベルリンで今最もクールな場所」として取り上げられている。
試しにゴマクリーム味のアイスを食べてみたが、とてもおいしかった。メニューといい、売り方といい、とてもアイデアを感じるお店だ。友達によると、おそらく移民の2世が始めた店ではないかということ。機会があったらまた取り上げてみたいと思う。
試合終盤。父親に連れられてやって来た女の子も、少々眠そうな様子。試合は結局、ジダンのPKの1点を守り切ったフランスが勝ち、決勝へと駒を進めた。
サッカーボールの行方に人々が熱狂する巨大な祭典も、あと2試合。長かったようでいて、やはり短かった。少し寂しい気分だ。



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2 Responses

  1. akberlin
    akberlin at · Reply

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    うわ、ここもすごい熱気ですね。座れるのがブランデンブルク門よりも
    ポイント高いかも。ポルトガル・フランス戦はブランデンブルク門前の
    PVで見ました。フランス人率、大使館が近いだけに高かったです・笑。

  2. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    >akberlinさん
    PVは立ちっぱなしなのがつらいですよね。ここは熱気はあるものの、基本的には静かに試合を観れたのでよかったです。同じ試合でも、観る場所によって印象がかなり変わるものですよね。そうか、ブランデンブルク門前はパリ広場でしたものね。さて、決勝戦はどこで観るか・・

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