ポツダム・サンスーシ音楽祭2012より

Schloss Sanssouci (2010.10)
8月18日のお昼、たまたまポツダムのサンスーシ宮殿に行ったところ、宮殿に面したフリードリヒ2世(大王)のお墓がいつになく華やかに彩られていました。格式を感じさせる花輪に加え、大王がプロイセン国民に初めて食べさせたことから、いつも必ず置かれているジャガイモも、この日は盛りだくさん。その中には、日本から誰かが持って行ったと思われるお菓子「じゃがりこ」もありました(笑)。一体何だろうと思いつつも、すぐにその場を離れたのですが、後になってこの日がフリードリヒ大王の命日だということを知りました。
フリードリヒ大王の生誕300周年の今年、6月にポツダムで聴いた関連の公演について書いてみたいと思います。おそらく日本ではあまり有名ではないと思いますが、毎年6月、ポツダム・サンスーシ音楽祭というのが開催されます。1991年に始まった音楽祭で、ホーエンツォレルン家ゆかりの音楽、舞踏、演劇、オペラを軸にプログラムが組まれ、内外から一流のアーティストが顔を揃えます。6月9日から24日まで開催された今年の音楽祭のテーマは、やはり「フリードリヒ大王ー音楽とヨーロッパー」(ちなみに来年はスカンジナヴィアがテーマだそう)。まず、9日に行われたオープニング公演を聴きました。
この音楽祭は、ポツダムとその近郊のコンサートホール、宮殿、教会などで行われるのですが、この夜の舞台はサンスーシ公園内にあるFriedenskirche(平和教会)。サンスーシにはもう数え切れないほど言っていますが、この教会の中に入ったことはなく、しかも一緒に行った友達が「ここで聴く音楽は素晴らしい」と以前から力説していたので大分前から楽しみにしていました。演奏がベルリン古楽アカデミーとなれば、期待はさらに高まります。
平和教会は、サンスーシ宮殿のある丘の上ではなく、公園内のふもとの方に位置するので、旧市街のブランデンブルク門から徒歩5分ぐらい。1845年、フリードリ・ヴィルヘルム4世の命により教会の建設が始まり、完成は1854年。北イタリアの修道院建築を模倣しているそうで、中庭や回廊の写真を見返しながら、「そういえば、10年ぐらい前に訪れたパドヴァの修道院がこんな感じだったなあ」とふと思い出しました。
今回は見ていませんが、この教会には御廟(Mausoleum)が隣接しており、地下の納骨所を含めて、大王の父で「兵隊王」のフリードリヒ・ヴィルヘルム1世、フリードリヒ・ヴィルヘルム4世、その妃のエリザベート、それから皇帝フリードリヒ3世と妃のヴィクトリアといった錚々たる人物が眠っています。ヴィクトリアはイギリス出身で、あのヴィクトリア女王の長女。いつかチャールズ皇太子がポツダムを訪問した際、献花のためこの教会を訪れたという話を、連邦大統領府で儀典長を務められていたマルティン・レーアさんから聞いたのを思い出します。
教会内部に入った瞬間、その美しさにはっとなりました。教会といっても、シューボックス型のコンサートホールに近い構造をしています。奥に見える美しいモザイクは、13世紀にベネチアのムラノの教会のために作られたもので、ヴィルヘルムが皇太子時代に購入し、ポツダムに運んできたのだとか。
コンサートは、初めて聴く曲ばかり。細かい記憶は薄れてしまったのですが、印象に残っているのは、大王が愛したフルートの音楽。クヴァンツ作曲の2本のフルートのための協奏曲だったでしょうか、それはもう絶品といえるもので、2本の笛が交感する、生気に満ちあふれたアンサンブルを堪能しました。それから、韓国人のソプラノSunhae Imによるアリア集。さすが、ルネ・ヤーコプスにもたびたび起用されているだけあって、澄んだ声の、完璧にコントロールされたコロラトゥーラを聴かせてくれました。
3時間近い長いコンサートになりましたが、6月のヨーロッパだけあって、22時近くなっても澄んだ青い空が広がっていたのが印象に残っています。
Arien, Ouvertüren und Tänze aus
André Campra (1660-1744)
„L’Europa galante“ (Ballettoper, 1697)
Carl Heinrich Graun (1704-1759)
„L’Europa galante“ (Festa teatrale, 1748, Neuzeitliche Erstaufführung)
Friedrich II. von Preußen (1712-1786),
Johann Heinrich Quantz (1697-1773),
Carl Heinrich Graun
„Il Re pastore“ (Pasticcio, 1747),
Georg Philipp Telemann (1681-1767)
„Die wunderbare Beständigkeit der Liebe oder Orpheus“,
TWV 21:18 (1726)
Antonio Vivaldi (1678-1741)
Concerto für Streicher E-Dur, RV 271 „L’amoroso“
»Wortschätze« mit Klaus Büstrin
Sunhae Im, Sopran
Raffaella Milanesi, Sopran
AKADEMIE FÜR ALTE MUSIK BERLIN
Musikalische Leitung und Violine: Bernhard Forck

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2 Responses

  1. yuichi
    yuichi at · Reply

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    2年前、フリードリヒ2世のお墓をお参りしたことを思い出します。大のジャガイモ好きなんですよ(笑)。

  2. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    yuichiさん
    それはよい思い出になりましたね。次回はぜひ新宮殿へも!

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