7月に入り、ベルリンのコンサートシーズンはほぼ終わりという中ですが、こんな野外コンサートを見つけ昨夜聴いてきました。
場所はファンフェストの行われているブランデンブルク門前、ドイツ政府主導のW杯のカルチャープログラムを締めくくるコンサートでした(入場無料)。演奏はベルリン・ドイツ交響楽団(通称DSO)。指揮を執るのはDSOの次期音楽監督であり、多彩なプログラミングで知られるインゴ・メッツマッハーだけになかなか楽しみでした。
会場に行くと簡潔なプログラムを渡されるのですが、それによるとコンサートは前半後半の45分ずつに分かれており、曲目の紹介も全部サッカーの試合経過風に書かれているのが面白い。例えば、こんな感じです。「1分、開始のホイッスル。メッツマッハーはキックオフの合図を送る。キャンディード序曲による激しいアウフタクト。オーケストラはエネルギッシュなテンポを提示する」。
プログラムは、サッカーにふさわしい勇壮な曲、今回のW杯出場国から生まれた曲、そしてサッカーそのものをきっかけに生まれた曲(古くはショスタコーヴィッチの「黄金時代」、イギリスの現代作曲家Turnageの曲は「オーレオレオレオレー」のメロディーがテーマになっている)など、盛りだくさんで、しかもなかなかに凝ったもの。そこにヴァイオリンのヴィルトゥオーゾ、マキシム・ヴェンゲーロフ(「音楽界のロナウジーニョ」として紹介される)とトランペットのハカン・ハルデンベルガーの2人のソリストが花を添えていました。一曲ごとにマイクを取るメッツマッハーのトークがまた達者で、ワールドカップと音楽とをうまく絡ませていて感心しました。ちなみにプログラムはこんな感じです。
(前半)
バーンスタイン:「キャンディード」序曲
Sandström:トランペット協奏曲より
ベートーヴェン:「コリオラン」序曲
ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ第5番
ショスタコーヴィッチ:サッカー・バレエ「黄金時代」より
ブラームス:ハンガリー舞曲第5番
Antonia Bazzinis:La ronde des lutins
♪ハーフタイム
(後半)
ヴェルディ:「運命の力」序曲
HK Grubers:MOB Pieces
Turnage:Momentum
マスネ:タイスの瞑想曲
Silvestre Revueltas:Sensemaya
コルンゴルド:軍隊行進曲
ここからは延長戦(つまりアンコール)。ヨハン・シュトラウスとボロディンの小曲の後、ヒナステラの「マランボ」が先日敗れ去ったアルゼンチンの「お別れの曲」として奏でられ、2人のソリストが再登場しガーシュインの「サマータイム」で盛り上がりは頂点に。その後、オケのメンバーがいきなり各国のユニフォームを着出すので何が始まるのかと思いきや、最後は”We are the champion!”の大合唱で幕(笑)。21時から始まったこのコンサート、実際はサッカーの試合よりもずっと長く、終わったのは0時近くになっていましたが、とても楽しめるものでした。明日の準決勝第一試合、音楽の大国でもあるドイツとイタリアに対して、勝利の女神はどちらに微笑みかけるでしょうか。
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悲しいです。。ベルリンのひとたちはさぞや気落ちしたことでしょう。。これで私のWMも終わりました。ひそかにジダンフランスを応援します。
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>Autyさん
気落ちはしたでしょうが、よくやったじゃないか、というムードの方が強いですよ。昨日買った大衆紙の見出しはこうでした。
"Weint nicht, für uns seid ihr Helden!"
3位決定戦、カーンが先発するという話がありますが、果たして・・