Schloßbrückeにて(10月1日)
今回は久々に、解体工事が始まって半年以上が経つ旧東ドイツの共和国宮殿(Palast der Republik)の現在の様子をお届けしてみたい(「この廃墟は何なの?」と思われた方は、1年前に書いたこの記事を読んでいただければそれが何だかわかります。当時の様子と比べるのもまた興味深いかもしれません)。
共和国宮殿の解体工事が始まった頃、私は「工事が終了するのは2007年4月」と書いたが(その時の記事はこちら)、この状況を見てもらえればわかるように、それまでに全てを解体するのはほぼ不可能だということが明らかになってきた。
工事の妨げになっているのは、あの「アスベスト」だ。もともと共和国宮殿を壊す大きな要因の一つは、建物に人体に有害なアスベストが大量に使用されているということだった。そのため1998年から2003年にかけて、まずそのアスベストを除去する作業が8000万ユーロもの費用をかけて行われた。それによって、アスベストはほぼ完全に除去された、はずだった。
が、解体工事が進むにつれ、新たなアスベストの使用箇所が次々に見つかってきているという。ベルリン市は今年始めの時点では、解体全工事にかかる費用を1200万ユーロと見積もっていた。
しかし、これまですでに5箇所のアスベストの箇所が見つかり、工事は難航、追加費用はかさみ、その額はすでに960万ユーロにまで達しているという。
連邦議会予算委員長のOtto Frickeは、「このやっかいな仕事と余分な費用に対する責任を、一体誰が持つのか知りたい」と語っている。当初の予定額の1200万ユーロは、連邦64%、ベルリン市36%の比率で負担し合うことになっていたが、追加分の費用は連邦側が引き受けることになるという。
ゼロから新しく建物を建てるのも大変だが、不要とみなされた建築物を再びゼロの状態に戻すのも時には大変な労力を要するようだ。私には共和国宮殿が最後の悪あがきをしているように思われてならない。ベルリンは、時代が残した巨大な伽藍と今必死の格闘を続けている。
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もうすぐベルリンへ行きます。ドレスデンからの電車は東駅に到着するらしいので、ホテルまでの道のりでこの共和国宮殿の解体中の様子が見られかも知れないですね。ベルリンが私たちを暖かく迎えてくれることを祈って、出発します。
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>mecienさん
出発前のお忙しい中、コメントありがとうございます。ベルリンはmecienさんたちを心から歓迎いたします。どうぞお気をつけていらしてください!