雪の日の皇帝円舞曲

カイザー・ヴィルヘルム記念教会(2008年1月1日)
新年明けましておめでとうございます!
2008年のベルリンは、大雪の幕開けとなりました。元旦の午前中は少し早起きして(というほどでもないですが)、11時15分からウィーン・フィルのニューイヤーコンサートをテレビで見ました。自宅のテレビは今壊れているので、ちょうどベルリンに滞在中の、私の大学時代の先輩が宿泊しているホテルの部屋で見せてもらうことになったのです。今年初登場のフランス人指揮者ジョルジュ・プレートルは、83歳とは思えないエネルギッシュでいて独特の香気あふれる指揮姿で魅了しました。今回は特にシュトラウスファミリーのフランスにまつわる曲が演奏されたり、6月にオーストリアとスイスで共同開催されるサッカー欧州選手権に因んだ仕掛けがあったりと、たっぷり楽しんだのですが、中でもうれしかったのは、プログラムの後半でヨハン・シュトラウス2世の「皇帝円舞曲」(Kaiser-Walzer)を久々に聴けたことでした。
この曲はシュトラウスの他のワルツとは一味違う優雅さと落ち着きが感じられて、昔から大好きなのです(こちらで視聴できます)。ふとその先輩が「この曲は実はベルリン初演なんだよ」と教えてくれ、「へー!」と思った私は家に帰って曲の由来を少し調べてみました。wikiによると、この音楽の当初のタイトルは「手に手をとって’Hand in Hand’」だったものの、皇帝ヴィルヘルム2世がオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世を表敬訪問した折に、「両皇帝の友情の象徴」として、この名前に変えられたのだとか。初演は1889年の10月。私がホテルからの帰り際に立ち寄ったカイザー・ヴィルヘルム教会は、そのヴィルヘルム2世が祖父のヴィルヘルム1世を記念して1891年に建てさせたもので、つまりほとんど同時期なのです。シュトラウスの優雅なワルツとベルリンの廃墟の教会にこんな接点があったなんて、思いも寄りませんでした。記念教会は昨年鐘の音について書きましたが、今後雪の日にそばを通ったら「皇帝円舞曲」のメロディーが頭に鳴り響きそうな気がします。
ただ、ヴィルヘルム2世の帝国主義外交が第一次大戦の引き金となり、結果この教会の現在の姿につながっているのかと思うと、少々複雑な気分にもなりますが。
ベルリンのシンボルの1つといっていいこの教会も、近年は老朽化が著しく、このままだと崩壊の危機にあると言われています。戦争で破壊された廃墟のままで残しているのですから、ある意味無理もない話ではありますが。このため最近は、教会修復のための募金を募る広告を街でよく目にします。
この日ちょっと面白かったのが地下鉄駅の電光案内板で、英、独、さらにトルコ語で「新年おめでとう」に当たる台詞が流れていました。
FROHES NEUES JAHR
HAPPY NEW YEAR
MUTLU YENI YILLAR
皆さまにとって、2008年がすばらしい1年になりますように。
そして世界に平和がもたらされますように。
本年も当ブログをどうぞよろしくお願いします。
参考:
カイザー・ヴィルヘルム記念教会の鐘の音

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10 Responses

  1. キートス
    キートス at · Reply

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    新年明けましておめでとうございます!いつも刺激を与えてくれるブログを読ませて頂いていますが、今年もよろしく!これからも良いネタが沢山ありますように!

  2. Aya
    Aya at · Reply

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    明けましておめでとうございます。
    今年は真っ白な雪景色での幕開けとなり、心が洗われるようでしたね。
    2008年が更なる飛躍の年となることを願っています。
    私もがんばります。
    では今年もどうぞよろしくお願いいたします。

  3. らっぱ@たか
    らっぱ@たか at · Reply

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    明けましたね!
    今年も宜しくお願いします☆
    元旦はジルベスター、ニューイヤーとテレビで楽しみました♪

  4. bach!!
    bach!! at · Reply

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    あけましておめでとうございます。
    カイザー・ヴィルヘルム記念教会が崩壊の危機にあるとのこと、平和の象徴でもあるので何とかうまく修復保存して欲しいですね。
    昨年の旅行の際には心に響く鐘の音を聴くことができ、さらに新教会のパイプオルガン演奏も神秘的な雰囲気もあってとても素敵でした。
    今年もどうぞよろしくお願いいたします。

  5. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    >キートスさん
    明けましておめでとうございます。昨年はコメントをたくさんお寄せいただき、ありがとうございました。ベルリーナーならではの内容の書き込みに何度もはっとさせられました。今年もよろしくお願いします。今度久々にお会いできるといいですね。

  6. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    >Ayaさん
    明けましておめでとうございます。Ayaさんから初めてコメントいただいたのが、ちょうど2年前の同じ時期だったと記憶しています。あれからそんなに経つのかと思うと、ちょっと感慨深いですね。ベルリン生活も長くなってきましたが、まだまだここでやるべきことはあるので、惰性に陥らないよう新鮮な気持ちでがんばりたいと思います。今年もどうぞよろしくお願いします!

  7. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    >らっぱ@たかさん
    特に「展覧会の絵」は、ラッパ的にも見どころ聴きどころは多かったのでしょうね。今年もどうぞよろしくお願いします。たかさんにとっても飛躍の年となるよう願っています!

  8. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    >bachさん
    明けましておめでとうございます。
    日本の原爆ドーム同様、廃墟のままで保存するのは時に大変な努力が必要だと思いますが、この教会はベルリンの過去の記憶と結びついているので、何とか残してほしいと切に願います。ここの鐘の音はすばらしいですよね!今年もどうぞよろしくお願いします。

  9. la_vera_storia
    la_vera_storia at · Reply

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    中央駅さん,明けましておめでとうごさいます.
    Berlinは大雪でしたか!
    こちらParisも,雪こそ降らなかったものの風が猛烈に冷たくて閉口しています,
    今年もよろしくお願いいたします.
    中央駅さんが話題にしたAtgetですが,彼のアトリエのあった場所を訪ねたり,彼の写真で撮影した対象の場所が現在どうなっているかなどを確認する作業などもやってみましたが,なかなか有意義でした.
    Parisの風景,あまり変わっていませんよ! 彼の撮影した写真の木の枝の曲がり具合も今でも同じだったのには驚きました(笑)!
    そのうち詳しく報告します.

  10. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    >la_vera_storiaさん
    明けましておめでとうございます。la_vera_storiaさんからは、昨年も知的好奇心を刺激するコメントをたくさんいただきました。今年もどうぞよろしくお願いします。

    la_vera_storiaが年末パリにいらしたことは伺っていましたが、アジェ縁の場所を巡られていたのですね。パリは歴史の知識を付けてから、そのうちじっくり再訪したいと思っています。ご報告を楽しみにしています!

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