兄弟座談会 – ベルリン-パドヴァをつないで –

8月初頭から自転車で西ヨーロッパを旅している私の弟と(ブログはこちらより)、昨夜スカイプを通じて座談会のようなことをしました。内輪の内容も混じっていますが、以下にまとめてみたので、興味のある方はご覧いただけたらと思います。
M: こんばんは、今日はどこに滞在しているのかな。
Y: 今はパドヴァという、イタリア北部の街にいます。ヴェネチアから自転車でやってきました。
M: 早いもので、8月頭にフランクフルトからスタートして、もうゴールまで約2週間だね。ここまでの道のりを振り返ってみて、今感じることは?
Y: やっぱり、毎日のように日本はいい国だなぁって思うかな。トイレはきれいだし、スリもいないし、シャワーは快適だし、水はタダだし・・・日本を離れてみて、改めて日本の良さに気付いた気がするよ。帰ったら、日常のものに感謝しなきゃいけないね。
M: なるほど、時々日本に帰る度に僕もそう思う。でもそれだけだったら、海外に出たがらない今の若い人は「やっぱり日本の方がいいや」で終わってしまう(笑)。あえて、こういう旅をしたからこそ得られた体験も聞いてみたいな。日本の日常生活ではなかなか感じない充実感というのもあるんでしょう?海外1人旅の魅力は?
Y: なんか、日本から遠く離れた場所で、言葉もわからない、どうやっていいかもわからない。いろいろと不安があるんだけど、結局どこの国の人でも、人間であることには変わらなくて、困ったことがあれば助けてくれるし、言葉が通じなくても、食べて、寝て、働いて、と同じように生きているから、何を求めているのかわかってくれる。だから言葉は通じないけど、あまり不自由はしなかった。毎日そういう経験を重ねるごとに、人間として強くなっていく気がするよ。「できない」と思っていたことが、やってみればできるものだし、そういう挑戦する機会って、不自由のない今の日本では味わいにくい。そんな生活に慣れ切ってしまうと、人として弱くなってしまう気がするよ。そんなところかな。まだまとまりのない言葉だけどね。時間が経たないとうまく答えられないね。

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M: 言っていることはよくわかるよ。旅行中の会話というのはホント何とかなるもの。そして、旅先で受けた親切というのは身に沁みるね。
Y: ちょっとした親切が、すごい思い出になるね。フランクフルトのレストランでは、隣に座っていたおじさんに慣れない英語で一生懸命ぼくの旅について説明したら、10ユーロ差し出して「それじゃあ俺も協賛者になろう。Have a nice trip !!」と言ってくれて、本当に嬉しかった。
M: それにしても、よく協賛という形でお金を集めて、ヨーロッパを旅するというプランを思い付き、実行にまで移したものだと思うよ。アポなしで企業を訪問して、個人旅行の協賛を求めるなんて、今の僕には多分できない。その様子を見ていて結構刺激を受けた。前はそうじゃなかっただろう?一人旅なんてのもしてなかっただろうし。
Y: うん。ずいぶん前と変わったかな。
M: 考えてみたら、お前とはこの10年間、住む場所も離れていて、本当にたまにしか会っていなかったから、その間の変化が余計著しく感じられる。
Y: きっかけは色々あると思う。最初に何か変わったのは、高校1年のときかな。高校までの片道15kmを、自転車で行けないかなって思ったんだ。最初は、何時間かかるんだろうと思ったよ。そんな長い距離走ったことなかったからね。2時間くらいかかるかも、と早起きして行ったのを覚えてるよ。学校は遅刻できないからね。そしたら45分で着いてね。なんだ、と思ったよ。
M: へ〜
Y: もしかしたら、他のいろんなことが自分ができないと勝手に思っているだけで、やってみたら、案外できてしまうのかもしれないと思ったよ。その経験が去年の西日本一周につながってるね。でも、その経験だけじゃ、今回のヨーロッパ旅には結びつかなかった。相当高いモチベーションやバイタリティーを維持し続けないと、スポンサーを集めてヨーロッパを旅するなんてできなかった。去年の12月に、進路とか、その他いろいろなことに悩んで、クリスマスに反対を押し切って一人旅に出たんだ。
M: どこへ行ったの?
Y: 長野県の戸隠神社。真白な雪の中をひたすら歩いて、山のふもとの神社に参拝しに行った。足を止めると、何も音が聞こえなくてね。ここに数日いたら悟りを開けるんじゃないかと思ったくらいだよ。たった2日間だったけど、神社行ったり、電車の長旅で色々考えたりして、ずいぶん気持ちが整理できたかな。日常を遮断できたのが良かった。それで、ぼくは自分の道を行こうと決めたよ。好きなことをやって生きようと決めた。
M: へえ、そこで悟りを開いたのか(笑)。
Y: そうだね。あとは、お正月にも一人で熊野古道を歩いてきた。そこも良かった。
M: 何だか話が若干妙な方向に進んでしまった(笑)。
Y: そうだね(笑)。まあこの旅はずっと昔からの延長線にあるんだよ。
M: 僕からの影響とかはないのか?(笑)
Y: かなりあるよ。お兄ちゃんがいなかったら、あまり「世界」を意識することはなかったと思う。身近な人が海外に住んでるというのは大きいよ。自分も海外で生活できるのかな、できないとしたら何が足りないのかナ、とか色々考えるからね。それと、お兄ちゃんのブログは参考になるね。お手本にしてるよ。お兄ちゃんは、何も怖がらず一人で何でもやっていくからね。小さい頃からそういう姿を見ていて、子供なりに何か尊敬していたよ。これ以上にない謙虚な人間だと思うよ。こういう謙虚な人間になりたいと前からずっと思ってるよ、うん。
M: いやいや、あんまり褒められても困る(笑)。何しろ料理さえもまともにできない人間だからな。
Y: まあそれもまた個性だよ(笑)。
M: 印象に残った街や人など、個別にまた聞いてみたいけど、とにかく本当にいろいろな方々にお世話になっているよね。
Y: 本当に旅先で出会ったみなさんに感謝しているよ。
M: 協賛という形で旅行しているのだから、時々批判されることもあるかもしれないけど、そういう声も含めて、いろいろな人に感謝して走り続けてほしいね。
Y: 確かに批判の声も時には受けるけど、それも的を得たことを言われているし、どうしたら改善できるかと考えながら旅をしているよ。批判されることで学ぶこともたくさんあったし、やっぱりそれも含めて全てに感謝しているよ。
M: そうだね。そういったことをこれからもブログで素直に綴っていってほしい。ちなみに、自転車の走行距離はいまどのぐらい?
Y: 1425km。まだまだ自分の目標には届いていない。ラストは全力で頑張るよ。
M: 事故もあったからね。とにかくベルリンで無事迎えられるのを願っている。
Y: 明日はとりあえずパドヴァにいる。最後の奮闘に備えて、ここでゆっくり休むよ。アルプスはアオスタから2400mの山越えをしようと思う。最高難易度の山だから一番の見せ場だね。頑張るわ。

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3 Responses

  1. 流れ星
    流れ星 at · Reply

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    こんばんは。私がヨーロッパを一人で旅行した時も、なにもわからずうろうろしていましたが、自分でもなんとかなるものだと思いました。
    今の私はその時の旅があってこそだと思っています。

  2. tsu-bu
    tsu-bu at · Reply

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    弟さんの旅、かげながら応援しています。事故の時は心配しましたが、回復が早くてほっとしました。若さですね。
    私も基本ひとり旅が好きです。ひとりで知らない町を歩いていると、自分の身の丈をし知ることができるから。身の丈分しか見えないし、身の丈分しか感じることができないと思うのです。つまり、今の自分を知ることになるというわけです。それがおもしろいし、興味深い。
    弟さんが無事にベルリンにゴールしますように!

  3. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    応援ありがとうございます。
    私も自分で旅行するということは1人旅から始まりました。もう少し時間ができたら、25年前の自分の原点ともいえる体験について書きたいと思っています。

    弟は再びドイツに入りました。ゴールが見えてきましたね。

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