ベルリン・ドイツオペラの「イドメネオ」再上演

大衆紙BZの紙面より(12月19日)
10月初頭にベルリン・ドイツオペラの「イドメネオ」論争で取り上げた、ムハンマドのさらし首が描かれるハンス・ノイエンフェルス演出のモーツァルト「イドメネオ」が、18日夜ついに再上演されました。
私がこのことを知ったのは、当夜0時からのテレビのニュースによってだったのですが、国営放送ARDはこの再上演を何とトップニュースで報じたのです。
写真の大衆紙によると、上演に際しテロを警戒して100人もの警官が配置され、約1500人の聴衆は空港並みのチェックを受けたそうです。訪れた多くの政治家の中には、今回の騒動の当事者であるドイツオペラの支配人やベルリンの内務大臣の他、ベルリンのヴォーヴェライト市長もいました。ただ、ショイブレ内務大臣が招待した30人のイスラム関係者のうち、実際に観に来たのは9人だけだったそうです。
まずは無事に上演が終わったことで、関係者はほっとしていることでしょう。社会の中における劇場という存在をはっきりと浮かび上がらせた出来事でした。
この「イドメネオ」は今月29日にもう1回上演される予定です。

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17 Responses

  1. pfaelzerwein
    pfaelzerwein at · Reply

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    観劇に行かれたかと思いましたが、やはり警備は厳しかったようですね。TVを観ないのでさっぱり話題となりませんが、政治的パフォーマンスにしようとした方は拍子抜けでしょう。
    ARDを国営と呼ぶと特別な意味合いとなります。つまりCMの問題はありますが、合議制ZDFより政治的自主独立性は強くあるべき公共団体です。ただ、BBCと比べると権力が集中しない。

  2. shinno
    shinno at · Reply

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    再上演されたんですね。
    29日は見に行っちゃったりしますか?

  3. KIKI
    KIKI at · Reply

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    c/o Watolla あらためKIKIです(笑)。
    演劇に関心のない私もちょっと気になってたテーマ、まっとうな結果に落ち着いて、安心しました。
    私としては、微妙にキリスト教徒が反対してたのが面白いなと思いました。宗教の問題となると、反射的にイスラム教徒を想定してしまう、ということもある意味、考えるべきことなのかも。
    最近、暴力的なゲームが若者に悪影響を与えるんじゃないか、という議論がドイツでも盛り上がっている一方で、こういう過激な演出は「表現の自由」としてOKってのはイマイチ納得できないところですが・・・。

  4. ksuzuki
    ksuzuki at · Reply

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    皆様はじめまして!時々このブログを拝見しておりましたが、
    件のイドメネオを当日観劇していたので、報告させて頂きます。
    これから長文となりますが、ご容赦ください。
    まず会場は報道陣、警官などでとても騒々しかったです。会場には生中継のスタジオが組まれ、インタビューが各所で行われていました。また入場にやけに時間がかかると思ったら、報道の通り手荷物検査があり唖然としました。私が買っていたのは3階席でしたが、ガラガラで年季の入ったオペラファンか、あるいは普段はオペラは見なさそうな、物見高い客しかおりませんでした(しかし上から見た感じ、一階は埋まっていたようです)。またこんな状況でも、私を含め日本人の姿ももちらほら。

  5. Ksuzuki
    Ksuzuki at · Reply

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    私の隣はごくフツーの若い女の子(Studentin?)のようでしたが、
    開演には何のアナウンスも無いなかひたすら待たされ(勝手に席替えする客はいても、出ていく人は皆無)、ようやくの開演には「まったくしょうがないよね」とふたりで苦笑い。30分待たされてようやく幕が上がったと思ったら、一幕は拍子抜けするほど大人しく終わり、二幕からは仏陀、キリスト、モハメッドは黙役として登場するものの、問題とされている最後の部分以外は、普通にイドメネオの舞台でした。(歌手を過剰に動かさず、音楽に任せている部分も多く、イドメネオとイダマンテが遭うまでのくだりなんど、むしろうまい部分も結構あった)カーテンコールの観客の反応も概ね好評で、出演者には拍手が巻き起こりました(今回イダマンテを演じていたのは、10月の新国立劇場の公演と同じく藤村美穂子さんです)。

  6. ksuzuki
    ksuzuki at · Reply

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    問題の部分はフィナーレの合唱の最中に、ふいに姿を消したイドメネオが音楽が終わってからひとり戻ってきて、それまで神々が座っていた椅子に4つの生首をならべて、最後駄目押しのように「アーハッハッハ」と高笑いし、観客騒然のうちに幕。(最後のイドメネオの演技には自分をこんなに苦しめておいて、いい気味だ、という感情があるように思いました)。
    しかし最後の場面で耐えられずに出て行く客に他の客が「ausstehen(我慢しろ!)」と怒鳴るは、ブーイングの後にはブラボーが巻き起こるは、結局は大好評?で終わっていたように思います。

  7. Ksuzuki
    Ksuzuki at · Reply

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    今回の演出は「悪趣味」、「宗教感情を傷つけている」と非難されていますが、プログラムを読む限り「神からの人間の自由」を表現しているらしいです??(私のドイツ語読解力では、誤解している可能性も大きいですが…)。
    コーミッシェでのほとんどコント版「魔笛」といい、ノイエンフェルスの悪趣味さは(演出の質はともかく)問題提起と話題性は充分ですね…。
    コーミッシェの魔笛も、コメディとしてなら成立しておりますが、
    とうていモーツァルトとしては考えられないものでした(何しろ魔笛の登場人物でストーリーが進行しない)。
    同じく思い切ったことをする演出家でも、コヴィンチュニーやクプファーなら、そんなことはないんですが。
    それでは長文失礼しました。

  8. ksuzuki
    ksuzuki at · Reply

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    すこし思い出したので付け足しますが、日本で同じような趣旨の
    公演(オペラのストーリーに関係の無い、過剰な解釈と演出)
    だと宮本亜門の「ドン・ジョアンニ」でしょうか??あの公演
    は悪趣味のなかにアメリカへの政治的批判がこもったものでしたが、今回のベルリンのような騒動になったら上演されたのでしょうか…。あの報道陣やゲートを見た際、「それでも上演するのか!」
    と、劇場の底力を見た思いです。

  9. pfaelzerwein
    pfaelzerwein at · Reply

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    berlinHbf さん、横槍コメントをお許し願います。ksuzukiのレポートは大変参考になります。芸術的価値や政治的アピールは別として、イドメネオ事件はモーツァルトイヤーの最大のイヴェントであったとやはり確信しました。図らずしも起きた舞台外の現象こそが、将来的に現在の病める情況の証拠となると思われます。ただ、それを狭義の宗教問題として捉えると、遥かに成功している演出などがある事は否めません。つまり、このお騒がせな演出は、演出家自身が呼ぶカタルシスの「表現の自由」に至っていないばかりか、再演する価値も中止する意味もなかったと云うことでしょう。今日、音楽劇場がその意味を示す事はそもそも至難の業ですが。

  10. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    >shinnoさん
    29日はとても行きたいし行くべきだとも思うのですが、用事が入っていて、それとの様子を見ながらということになりそうです。
    31日のDSOのコンサートは、できたら行きたいんですけどね!

  11. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    >KIKIさん
    >宗教の問題となると、反射的にイスラム教徒を想定してしまう、というこ>ともある意味、考えるべきことなのかも。
    確かにそうですね。
    それにしても今年は、風刺画騒動に始まり、レーゲンスブルクの教皇発言、そしてこのイドメネオ事件と、宗教絡みの論争が続きましたね。「文明の衝突」の傾向は今後も続くのか、気になるところです。

  12. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    >ksuzukiさん
    詳細なリポート、心より感謝いたします。
    当夜の劇場の雰囲気が大変リアルに伝わってきましたし、お客さんの反応もおもしろいですね。やはりオペラは劇場に足を運んでなんぼというか、私も一度は観ておきたいという思いを強くしました。

    またいつでもお書き込みください、。今後ともどうぞよろしくお願いします!

  13. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    >pfaelzerweinさん
    >モーツァルトイヤーの最大のイヴェントであったとやはり確信
    確かにそうかもしれません。モーツァルト関連では、私にとっても圧倒的にインパクトのあった出来事であり、興味深い問題をはらんでいました。
    pfaelzerweinさんの記事にTBさせていただきますね。

  14. ksuzuki
    ksuzuki at · Reply

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    前回は長文失礼いたしました。
    結局、今回の演出でのポセイドン以外の神の役割は、ポセイドンが証人として召喚したというか、イダマンテを生贄にするのを渋るイドメネオに、「それでは話がちがう、お前の責任を果たせ」とせきたてるものであって(だからこそ最後にポセイドンといっしょに否定されてしまうわけで、、)
    そもそもの信仰や教義とは何の関係もないわけで…。
    あのやり方では話題になるのは必然ですが、やはり演出としては
    面白主義以上のものではないと思います。
     
     お客さんの反応は、確かに面白く、こんな騒動の最中でも日常の
    ドイツの劇場の光景ではありました。
    (開演まで待たされている間に「ああ、こりゃ終わるのが11時になるわ」
    とぼやく高齢の婦人がいたり、その人が途中で拍手してしまった音楽慣れしていないミーハーな客に文句つけてたり)
     
     私はあまり耳が肥えている方ではないのですが、藤村さんは熱演で
    舞台をぐいぐい引っ張っていたと思います。観にいかれるならおすすめはいたします。最後の部分以外は、結構保守的な演出だと思いますし。

  15. konno
    konno at · Reply

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    ども。
    n-tvでも主要ニュースでしたね。
    正直いって、財政的にやばいドイツオペラのIntendantin(「総裁」ではなく、「インテンダント」か「支配人」の方がいいです)が演出=芸術の問題を政治化したと思いました。
     レポートを見る限りだと、最後の場面だけにCloseUpされて、中身はどうでもよく、ある意味でドイツオペラとノイエンフェルスに脚光を浴びさせた、程度だと思います。
     ニュースでも見たように空港並みの警備を見せられたときに、表現の自由の危機というか、政治臭の漂うものに嫌悪感を感じました。
     まぁ、文化なり、芸術が政治化するのは別に今に始まったことではありませんが、どうにもこうにも胡散臭い話題でした。

  16. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    >ksuzukiさん
    追記をありがとうございます。
    ksuzukiさんのお話を拝見する限りでは(他の方々のご意見も概ねそうですが)、劇場に足を運んで観るべきものなのか、正直迷うところですね。しかし劇場の特殊な雰囲気も含めて、体験しておきたい気持ちは残っています。これだけ話題になったのだから、今回で打ち止めということはないとは思いますが。コミッシェの「コント版 魔笛」は面白そうですね。

  17. berlinHbf
    berlinHbf at · Reply

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    >konnoさん
    >「総裁」ではなく、「インテンダント」か「支配人」の方がいいです
    ご指摘どうもです。「インテンダント」は日本語としてはあまり定着していない気がするので、「支配人」に訂正しようと思います。

    今回の話題を除くと、ドイツオペラはここ数年本当にぱっとしないのが気がかりです。イタリア人の新しい音楽監督の評判はどうなんでしょうか。

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