テレージエンシュタット訪問記(4) - 小さな画家と音楽と -

私の怠慢によりすっかり時間が空いてしまいましたが、昨年5月にチェコのテレジン(ドイツ語名はテレージエンシュタット)を訪れた時の話の最終回を綴りたいと思います。ご興味のある方は、過去の記事をご参照ください。テレジンの「小要…

ヤナーチェクの「死者の家から」@Staatsoper Berlin

Schlesische Straße in Kreuzberg 10月はいくつもの素晴らしい音楽を生で聴くことができたが、とりわけ忘れがたいのがシュターツ・オーパーで観たヤナーチェクのオペラ「死者の家から」。2日のプレミ…

ポツダムの王宮再建始まる

昨日、女子サッカーの永里優季選手にインタビューさせていただく機会があり、ポツダムに行ってきました(聞き手としても刺激に富んだインタビューでした。掲載時にはまたお知らせしたいと思います)。彼女が所属するトゥルビネ・ポツダム…

私のこれまでの主な仕事の実績を以下にまとめました。執筆依頼等につきましては、お気軽にお問い合わせください。連絡先:[email protected] 著書『素顔のベルリン』(ダイヤモンド社) 『ベルリンガイ…

新博物館に鳴り響くフルートの音色

Neues Museum (2007-09) ●ペルガモン博物館で開催されている話題の特別展「ペルガモンー古代首都のパノラマ」を見てきました。このパノラマ展のことは今度改めて紹介するつもりですが、最近ペルガモン博物館とそ…

記憶の鉄路をたどる(4) - ドイツ技術博物館の保存鉄道 -

「ベルリンの乗り物の歩みを一望」で紹介したドイツ技術博物館の車庫の一般公開を見た後、同博物館の保存鉄道というのに乗る機会がありました。これがなかなか楽しい体験だったのでご紹介したいと思います。17時半の閉館の少し前、車庫…

10年目の出会いと別れ

少し前になりますが、ベルリンでずっとお世話になっているドイツ人の家族と出会ってからちょうど10年が経ち、この夏にお祝いの食事会をしました。私がまだベルリンに来て間もない2001年初頭、語学学校で知り合った日本人の友達がこ…

コリーンの修道院を訪ねて(3)

この日コリーンにやって来たのは、修道院跡を見学するためでも、廃墟の美に感じ入るためでもなく、ここで音楽を聴くためだった。東独時代からすでに半世紀近く、毎年夏に「コリーンの音楽の夏」(Chriner Musiksommer…

コリーンの修道院を訪ねて(2)

ベルリン中央駅から電車で40分、さらにChorinの駅から山を越えてたどり着いた中世のシトー修道院。実際はそれほどの距離ではないにせよ、ベルリンからはるばるやって来たという気持ちを強く起こさせてくれる場所だった。こちらが…

コリーンの修道院を訪ねて(1)

Bahnhof Chorin (2011-08-28) 最近、ブランデンブルク州を紹介したDumont社の詳細なガイドブックを書店で見付けたので購入した。この本、ドイツ語版ながらなかなかおすすめできる内容なのだが、巻頭の…

コーミッシェ・オーパーの「利口な女狐の物語」新演出

© Monika Rittershaus ●コーミッシェ・オーパーで「利口な女狐の物語」のプレミエを観てきました。今シーズンでインテンダントの任期が終わるアンドレアス・ホモキの演出。指揮はアレクサンダー・ヴェルデニコフで…

『素顔のベルリン』の増刷

私の最初の著書『素顔のベルリン』が、お蔭さまでこの度増刷されることになりました。大変うれしく思うと共に、これまで多くの方々にご覧いただいてきたこと、心より感謝申し上げます。この本が出版されてからかれこれ2年近くが経ち、デ…

発掘の散歩術(14) -ミース・ファン・デル・ローエのバースデーパーティー-

夕暮れ時のレムケ邸で踊る人たち (2011-08-14) アレクサンダー広場からトラムのM4に揺られること約25分。ヴァイセンゼーという湖を過ぎて間もなく、ブッシュ・アレー/ハンザ通りという停留所で降りた。普段ベルリンの…

追悼クルト・ザンデルリンク

大指揮者のクルト・ザンデルリンクが亡くなったそうですね。享年98歳。あとわずか1日で99歳の誕生日だったといいます。2007年に彼の95歳のバースデーコンサートを聴く機会があり、この時どなたかが「次はマエストロの100歳…