「壁とベルリン」第6回 - ゲッセマネ教会の英雄交響曲 -

「壁とベルリン」第6回 – ゲッセマネ教会の英雄交響曲 –

ベートーヴェンの交響曲第3番の浄書総譜表紙(Wikipediaより) 11月2日、旧東側のプレンツラウアーベルク地区のゲッセマネ教会で、「非暴力への記念コンサート」と題する入場無料の公演が行われた。演奏は、ダニエル・バレ…

ベルリンに帰った貴志康一

ベルリンに帰った貴志康一

©甲南大学貴志康一記念室所蔵 1930年代前半、ベルリンで信じられないようなキャリアを築いた若き日本人音楽家がいました。その名は貴志康一。大阪の商家に生まれ、ジュネーブとベルリンでヴァイオリンの研鑽を積みながら、ヒンデミ…

ベルリンと走り続けた音 (「ベルリン 音のある街」最終回)

ベルリンと走り続けた音 (「ベルリン 音のある街」最終回)

当連載の最後にあたって、筆者の知人で生粋のベルリンっ子のFさんに、「あなたの記憶と深く結びついた『ベルリンの音』は何ですか?」と聞いてみた。 1939年生まれのFさんは間髪を入れずにこう答えた。「Sバーンのブレーキ音だよ…

アネッテ・ダッシュのサロン・コンサート

アネッテ・ダッシュのサロン・コンサート

Foto: Daniel Pasche クラシック音楽シーンで、アネッテ・ダッシュ(Annette Dasch)という名前を最近よく耳にする。ダッシュはベルリン生まれの若手ソプラノ歌手。豊かな声と容姿にも恵まれ、若くして…

音の記憶を探し求めて - 旧フィルハーモニー跡 -

音の記憶を探し求めて – 旧フィルハーモニー跡 –

Alte-Philharmonie(10月24日) 現在のベルリン・フィルハーモニーと同じく、旧フィルハーモニーも、ポツダム広場からほど近い場所にあった。戦前、Uバーンのポツダム広場の駅を上がると、目の前にはHaus V…

フィルハーモニーの「舞台席」

フィルハーモニーの「舞台席」

©Lauterbach / Berliner Philharmoniker ベルリンという街が遠い彼方の存在だった頃、テレビでベルリン・フィルハーモニーのコンサートの様子が映し出される度に気になる場所があった。舞台のすぐ…

新シーズンを迎えた州立歌劇場

新シーズンを迎えた州立歌劇場

8月30日、ベルリン州立歌劇場の新シーズンが幕を開け、そのオープニングの2公演が大きな話題を集めた。初日のオペラ《フィデリオ》(ベートーヴェン作曲)は、歌劇場横のベーベル広場に設置された巨大スクリーンに舞台が同時中継され…

CD「ベスト・オブ・ベルリン」

CD「ベスト・オブ・ベルリン」

この5月、ベルリンの音のベスト盤とでもいうべきCDが発売された。その名も”Best of Berlin“(EMI MUSIC)。ベルリナー・モルゲンポスト紙とシュプレーラジオの共同制作で、収録曲は…

森の音楽会―ヴァルトビューネの楽しみ

森の音楽会―ヴァルトビューネの楽しみ

Berliner Waldbühne(6月15日) 毎年6月末になると、コンサートホールや劇場が夏休みに入る一方で、ベルリンの街のあちこちで野外コンサートが開かれるようになる。中でも広く知られているのが、シャルロッテンブ…

フィルハーモニーを救ったハンス・シャロウン

フィルハーモニーを救ったハンス・シャロウン

昨夜、ベルリン工科大学(TU Berlin)で構造工学を研究している友人の増渕基さんが、フィルハーモニー内部の貴重な写真をメールで送ってくれました。それは、数ヶ月前、彼が研究室の研修でフィルハーモニーの屋根裏に入ったとき…

地下鉄駅の「魔笛」

地下鉄駅の「魔笛」

ベルリンの地下空間で上演するモーツァルトのオペラ「魔笛」が、いま大きな話題を呼んでいる。仕掛け人は指揮者・演出家のクリストフ・ハーゲル。これまでも元変電所、サーカス小屋、ボーデ博物館といった一風変わった場所でモーツァルト…