11月の半ば頃、写真家の橋口譲二さんからメールをいただいた。橋口さんの新しい写真集『Hof ベルリンの記憶』(岩波書店)の年内の発売が迫り、今回本に掲載されるある写真の現在の住所を調べてもらえないだろうか、という内容だっ…
アンドラーシュ・シフのベルリンでの人気はすごい。数年前のベートーヴェンのチクルス、今シーズンのバッハ選集のシリーズと、毎回ほぼ例外なくチケットが売り切れてしまう。火曜日の《ゴルトベルク変奏曲》も早々にソールドアウトだった…
11月のある日曜日の朝、グルーネヴァルトの森に行ってみようと思い立った。その昔、狩りを愛好するブランデンブルク選帝侯が建てさせた「狩りの宮殿」が、森の中の湖のほとりにあるという。人里離れた森の中で、狩りに興じる孤独な権力…
「労働は人を自由にする」と書かれた門をくぐり抜けると、中庭があり、いくつもの監房や独房の建物が並んでいた。 前回書いたように、もともとこの小要塞は18世紀末に作られた。当初ここに投獄されたのは軍人の他、中欧や南東ヨーロッ…
「ベルリンの壁」崩壊の記念日というと、昨年の壁崩壊20周年のドミノ倒しの記憶が強い方は多いかもしれません。今年の11月9日は、大規模な催しこそ行われなかったものの、数あるベルリンの壁の追悼施設に新たな場所が加わりました。…
早いもので今日から12月。振り返ってみるとなんとも陰鬱な11月だった。ほとんど常に雲は低くたれ込めていたし、月の半ばからは気温がめきめきと下がっていった。おまけに風邪まで引いてしまったし・・・昨年は年末に日本に帰るという…
5月のプラハ旅行の最終日、以前から一度訪ねてみたいと思っていた場所に、行ってみることにした。ドイツ名はテレージエンシュタット、チェコ名はテレジンというこの街が、プラハから約60キロの距離にあるというのは少々以外だった。夕…
NHK「テレビでドイツ語」12月号のテキストが発売になりました。ジャンダルメンマルクトのクリスマスマーケットが今月の表紙。今年ももうそんな季節なのですね。 私の連載「映画で歩くベルリン」も残り4回となりました。今回は名作…
徳島大学総合科学部にて 今年の春、「『素顔のベルリン』が大学の教科書に」でご紹介した徳島大学総合科学部の「記憶の都市/都市の記憶 ベルリン」という授業が10月から始まったそうです。講義を担当する弘田陽介助教によると、10…
今年初頭にご紹介する機会のあったホテル・ボゴタには、Lichthofと呼ばれる吹き抜けのホールがあります。しばらく前から、写真家の橋口譲二さんとホテルのオーナーのリスマンさんのアイデアで、このリヒトホーフに日本人アーティ…
リヒトホーフに置かれている、書庫を模した巨大インスタレーション Regalinstallation im Lichthof Foto: © Roman März 2010年、ベルリンは「学術年」(Wissenschaft…
Jüdische Gemeinde Berlin (2010.11.9) 昨日11月9日は「ベルリンの壁」が崩壊して21年、そして反ユダヤ主義の暴動「水晶の夜」(Kristallnacht)が起こってから72年という記念…
ベルリンの中心部から東のエルクナー(Erkner)行きのSバーンに揺られること約30分、ヴュールハイデ駅で降りると、跨線橋を隔てた向こうにもう1つ小さなホームが見えた。 「ヴュールハイデ公園鉄道」と書かれたホームに立って…
9月末に週末を利用してロンドンに行って来ました。その気になればベルリンからすぐ行けるロンドンですが、学生時代、飛行機のトランジットを利用して数時間街を歩いたのを別にすれば、初めてでした。今回はロンドンに赴任している妻の会…
先日、久々に会った友達と、前から一度行ってみたいと思っていたチョコレート屋に足を運んでみました。外観はそれほど目立たないのですが、中に入ってみて重厚な内装に驚くことになります。 こちらがカウンター。高い天井とスタッコの彫…
メモ書き程度ですが、ここ最近聞いたコンサートよりいくつか・・・ まず、9月に聞いたラトル指揮ベルリン・フィルの「プルチネッラ」全曲。これは圧巻だった。彼がハイドンなどで見せるような天性の輝き、いやそれをも上回っていたかも…
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